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Melton Coach Jacket


メルトン生地で製作したコーチジャケット入荷しました。

メルトンとは保温性の高い毛織り物、大枠で言えばウールです。Pコート等に使われる素材です。

既に世の中にある定番は極力避けたい、でも新しく定番として捉えられるようなモノを作りたいというのはRCSのテーマの1つなのですが、デザイン的には世に出尽くしているのでサイジングでの違いを考えて製作してきましたが、今回は通常ナイロンなど化繊で製作されるコーチジャケットをメルトンで製作するという、形と生地の融合をデザインしました。過去に製作されたモノにそんなに興味がないので調べたりはしていませんが、このジャケットはデザイン的にあまり無いような気がします。僕は見たことがないです。

化繊素材で出来ているコーチジャケットのように軽やかに着こなせる様に、プリントスター等のナイロンコーチジャケットにシルエットを寄せて、衿などのメルトンの厚みに対応しなくてはいけない所のみコートとして設計しています。

近年の市販のメルトンコート類は腕周りがきつく、中にチャンピオンなどのアメリカンサイズのインナーを着ることが難しいモノが多いです。なのでインナーにも細身の服を買わなければいけないという仕組みで、上着全体が細身になっているのが現在のファッションの流行だと思いますが、僕は動きやすかったり窮屈を感じない服が好きなので昔ながらのシルエットを保つインナーが着込めるようにとシルエットを形成しています。

流行というのは読んで字のごとく変化していく事なので、今のタイトな洋服の流れが終わり、いつかリラックス出来るサイジングやオーバーサイズな流れがくると思いますが、自分にとって何が良いのかという判断基準を忘れずに、流されないで欲しいと思います。

メルトンは重さのある生地なので、裏地には通気性が良く軽い綿100%の千鳥格子柄の生地、袖裏にはポリエステル生地を使用し、重くなる要因のファスナーは避けてスナップボタンでの開閉を行うように仕立てています。なのでメルトンの割には軽いと感じられると重います。 実際に着用してもらえれば、裏袖のポリエステル生地での滑り易さ、スナップボタン開きにより素早い着脱性が感じられると思います。

胸のフェルト縫いはKEJKD 318 となっていますが、KOUENJI-KANNANADORI 318号線の頭文字をとり簡略させた記号です。KANNANADORI(環七通り)は東京にある著名な環状道路でKOUENJI(高円寺)を経由しています。KEJKD318とは僕が生活している周辺の地域を指しています。製造元出ナンバーのようなモノですが、そこの側で自分達が生活していますし、利用もするし、面白い文化が密集しているという事で東京の環七通りを記号にしました。少しの遊び、ユーモアです。それはどういう意味?と会話のネタにでもなって貰えれば幸いです。

元々はガデットコートというアメリカ空軍士官学校の生徒用のコートのフェルトデザインをサンプリングしていますが(フェルトの風合いも同様です)、本来はUSAFAなどの文字が入るのですが、新品にそのまんまUSAなどの言葉を付けるのはおかしいというか全然アメリカの軍とは関係ないのでサンプリングという要素で考えています。

袖口にはウール100%で製作したリブを使用しています。

化学繊維もしくは化学繊維を混ぜたニットは毛玉ができやすいのですが、ウール100%で製作すると0ではありませんが毛玉の生成が少ないです。

裾にスピンドルが通してあり、結んで縛れるコーチジャケットと同じ仕様にしています。ウール素材を絞るなんて聞いたことがありませんが意外とありです。

スピンドル自体は、山岳アウトドアなどに使用される屈強なモノを使用しています。基本は化繊のコーチジャケットをウール生地に変えただけですが、素材が変わるだけでディテールに使用する副資材も変えないとしっくり来なかったので探して来ました。

リーバイスのデニム、ベンデイビスのハーフジップシャツと合わせてみました。

僕は元々はファッションとして製作されていないワークウェアが好きで、自分の好きなメーカーの服と合うかどうかは、デザインの中で大きく考えている事なので上手く行ったのではないかと、、全身同じメーカーのモノを着るというのは中々無いと思うので、他と合わせても違和感のないようにと考えています。

178cm/68kg/Mサイズ着用

178cm/68kg/Lサイズ着用

とっくんという高円寺に住む友達がモデルをしてくれています。

余談ですが、何も作りたいモノが思い浮かばない、、ので、一旦休止します。他の仕事で生活し、またアイデアや見解が広がれば再開したいと思います。

また再開したらよろしくお願いします。

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