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Gacha Belt

Gacha Beltの製作過程を生地裁断、縫製、シルクスクリーンプリント、仕上げの順に工程を紹介します。このベルトの設計、縫製方法に関しては、何か過去にあったモノを参考にしている訳ではなく完全オリジナルの仕様となっています。

ベルトバックルはDURAFLEXという元はアメリカの企業だと思いますが、現在グローバルに展開している金具や副資材を扱うメーカーのバックルを仕入れて使用しています。

生地と、生地に張りと厚みを出す為に使用する接着芯と呼ばれる芯をパターンに沿って裁断します。長さ116cm、巾11.6cmです。巾が11.6cmと中途半端なのは、出来上がり巾の3cmに折り返して縫製した時に生地の厚みに押されて3cm以上になってしまうので、その押され分量4mm分を削っているからです。

生地は帆布、ダック地と呼ばれるトートバックなどに使用される生地を使用しています。接着芯は生地の厚さや固さなどどんな仕上がりにしたいかで決定しますが、今回は薄、中、厚で言えば中程度の芯を使用しています。芯は無くても出来ますが、製品がベルトという事で張りがあるよう仕上げたいので今回は使用しています。

いづれも専門業者で仕入れていますが、オカダヤやユザワヤ等の一般量販店、インターネットなどでも購入、代用出来ると思います。

僕は裁断にロータリーカッターを使用しているので、机に傷が付かないようカット保護シートを敷いています。裁断ばさみ使用であれば無くても裁断可能です。

ベルト本体とベルトバックルを繋ぐパーツを裁断します。このパーツには接着芯は必要ありません。13cm×6cmです。これらの寸法は使用しているベルトバックルの付け口が3cmであること、またその付け口の巾によって生地の厚み、接着芯の厚みを決定しています。ですのでまずどのようなバックルを使用するか決めてから生地等を選択します。

裁断後の画像です。左が生地、右が接着芯になります。

1本のみ製作するより複数をパーツ毎に一気に製作して行く方が効率が良いので、僕は一度に10本程製作しています。因みに1本のみで製作すると一時間〜一時間半程かかります。

ACECROWN社のポリエステル100%、30番の糸を使用しています。

30番とは糸の番手、太さです。通常厚の生地では60番を使用しますが、帆布のような厚みが有る生地には30番など太く強い糸を使用します。ただし糸の太さで見栄えが変わってくるので敢えて糸番手を合わさないようなデザインもあるようです。

こちらの糸等も市販されています。

生地に接着芯をアイロンで圧着します。

端を2cm程開けているのは、開けた部分に最終工程時に金具を取り付ける為です。端まで芯を貼ると厚みで金具がしっかり閉じないので、それに応じて工夫しました。

隠しファスナーを縫い付けます。

縫い付け位置が解りやすいように先にアイロンでたたみ折り目を付けておきます。

ファスナーを先に縫製しておく事により、出来上がって表から見ると縫い目が無いので、縫ってある事が分からなくなります。

生地で製作するのは時間が掛かりますし、利点はシルクスクリーンプリントが出来る、経年変化が起きるくらいしかありませんが、ファスナーが縫い付けてある事を分からなくする為に生地で製作しています。

縫い付け位置は、ベルトを装着した時にファスナー位置の上にベルト端が被ってくる位置としています。

先程のアイロンで付けた折り目に沿って、両端を内側に折り込み再びアイロンで整えた後、両端を二本づつ計四本で縫いベルト本体の完成です。二本づつ縫った方が作りが強固になります。

このベルト本体が厚みと張りを保ったまま、ベルトバックルの穴を通過するかどうかの調整が一番難しい点でした。使用するバックル穴に対して使用したい生地の選択に試行錯誤が必要となります。

ブランドネームタグを縫い付けます。

ベルトとバックルを繋ぐパーツを形成していきます。

解りづらい写真ですが、アイロンで1.5cmづつ中へ折り込みます。その時に片端は外、もう一方は内側に折り込みます。後に本体と縫い合わせる時に差し込んで縫い上げる為です。中心で二つ折りしておきます。

バックル付け口に、繋ぎパーツを差し込みます。

ベルト本体を、繋ぎパーツで挟み先程付けた折り目を差し込み組み合わせます。

表から四角形にベルト本体の上を通るようにぐるりと一周縫い合わせます。

バックルに近い位置からスタートし一周したら、一辺をそのまま重ねて縫います。ほつれ防止と補強の為です。縫製の中ではここが一番難しいです。

縫い終わりの糸先を4〜5cm残しておき、針を使って裏側へ引き抜きます。

引き抜いた糸を結んで処理しておく事により、後々のほつれ防止になります。

シルクスクリーンでブランド名をプリントします。

簡易的な自分で製作した版です。本格的な版でもインターネット等でデータを送って製作してもらえます。大きかったり、複雑なデザインの場合本格的に製作した版を使用しないとズレが起きてしまいます。

インクを適量セットし、スキージと呼ばれるへらでデザイン部分を刷ります。

刷った後、素早く版をどければプリント完了です。

ベルト端に金具を取り付けます。

金具に傷が付かないようゴムハンマーを使用し、金具自体も生地で覆った後、両面均等に叩き付けます。金具は東急ハンズさんで販売しているモノを使用しています。専門業者が扱っている金具はどれも生地を挟むには力が弱く困っていたのですが、東急ハンズさんの金具は強力ですよ。

アイロンで整えたら完成となります。

冒頭で難しい仕様ではないと書きましたが、縫製は難しくなくとも一から作り方を考える事はとても難しい事でした。服以外でも人が作った物は全て簡単に出来るように見えてしまう時代ですが、誰かが簡単に出来るように方法と道具を考え続けてくれた事を実感しています。デザイン、商品説明等はBLOGで説明しています。商品ページにはSHOPをクリックして貰えれば移動します。

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